広島の日本酒

日本酒・用語集

日本酒(にほんしゅ)
基本の原料は米と米麹と水です。蒸した米と米麹を水と合わせ、発酵させた酒が日本酒となります。
酒造法で正しくは「清酒(せいしゅ)」と表記します。
もろみ(米と米麹が水に溶けた粥場のもの)を布などで濾した液体が日本酒で、固形分が酒粕です。
地方の小規模な酒蔵がつくり、特定の酒販店でしか買えない数量限定の日本酒を地酒(じざけ)と」いいます。

特定名称酒に関する用語

特定名称酒(とくていめいしょうしゅ)
日本酒のうち、本醸造酒、純米酒、吟醸酒、大吟醸酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、特別純米酒のことを指します。
農産物検査法で3等級以上に格付けされた玄米を使い、麹米の使用量や精米歩合の規定を満たしていることが定められています。いっぽう、特定名称酒以外の日本酒は「普通酒」「一般酒」と呼びます。

純米酒(じゅんまいしゅ)
特定名称酒の中で、米と米麹と水だけでつくられた日本酒です。原材料に「米、米麹」のみ記載されています。米本来のうま味を感じることができます。

純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ)
特定名称酒の中で、精米歩合60%以下(玄米を4割以上削り取った)、アルコール無添加の表示区分の日本酒です。酵母がゆっくりアルコール発酵するように低温でつくります。吟醸酒より酸味やうま味があり、香りは穏やかです。冷やまたはぬる燗が適しているといわれます。

純米大吟醸酒(じゅんまいだいぎんじょうしゅ)
特定名称酒の中で、精米歩合50%以下(玄米を半分上削り取った)、アルコール無添加の表示区分の日本酒です。上品な優しい米のうま味、やわらかい香りが特徴です。

本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)
特定名称酒の中で、原料が精米歩合70%以下の米、米麹、水、醸造アルコールの日本酒です。すっきりとした味わいで、様々な温度で楽しめます。酒蔵の地元で、日常の酒として親しまれていることが多いです。

吟醸酒(ぎんじょうしゅ)
特定名称酒の中で、原料が精米歩合50%以下の米、米麹、水、醸造アルコールの日本酒です。すっきりとした上品な味わいで、冷やして香りの高さを楽しめます。燗をつけるならぬる燗がおすすめです。

大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)
特定名称酒の中で、原料が精米歩合60%以下の米、米麹、水、醸造アルコールの日本酒です。吟醸酒よりも米を磨いていることから、さらにさらっと洗練された味わいと香りで、「きれいな(=雑味のない)」と表現されることが多いです。

醸造アルコール(じょうぞうあるこ-る)
本醸造などの原料の一種で、主にサトウキビから砂糖を取った後のおりや廃糖蜜を発酵させた蒸留酒で安価。原濃度95%以上の純粋なアルコールで、状況に合わせて希釈して使用します。もろみの発酵の最終段階で添加し、味をすっきりさせます。安価。

 

特定名称 使用原料 精米歩合 香味などの要件
純米酒(じゅんまいしゅ) 米、米麹 70%以下 米本来のうま味を感じることができます。
純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ 米、米麹 60%以下(玄米を4割以上削り取った) 酵母がゆっくりアルコール発酵するように低温でつくります。吟醸酒より酸味やうま味があり、香りは穏やかです。冷やまたはぬる燗が適しているといわれます。
純米大吟醸酒(じゅんまいだいぎんじょうしゅ) 米、米麹 50%以下(玄米を半分上削り取った) アルコール無添加の表示区分の日本酒です。上品な優しい米のうま味、やわらかい香りが特徴です
本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ) 米、米麹、水、醸造アルコール 70%以下 すっきりとした味わいで、様々な温度で楽しめます。酒蔵の地元で、日常の酒として親しまれていることが多いです
吟醸酒(ぎんじょうしゅ) 米、米麹、水、醸造アルコール 50%以下 すっきりとした上品な味わいで、冷やして香りの高さを楽しめます。燗をつけるならぬる燗がおすすめです
大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ) 米、米麹、水、醸造アルコール 60%以下 吟醸酒よりも米を磨いていることから、さらにさらっと洗練された味わいと香りで、「きれいな(=雑味のない)」と表現されることが多いです

味わいや香りに関する用語

アミノ酸度(あみのさんど)
日本酒のうま味成分はアミノ酸です。米のタンパク質からアミノ酸が生成されます。アミノ酸度が高いとこくのある太い味わいに、アミノ酸度が少ないと淡麗な味わいになります。吟醸酒はアミノ酸度が少ないので、アミノ酸の多い純米酒は燗に向くといわれています。

燗酒(かんざけ)
温めて飲む日本酒のことをいいます。生酛(きもと)など、乳酸が多い日本酒や精米歩合が低く、味わいの濃い純米酒は、温めるとおいしくなります。燗をつけると、よりおいしくなることを「燗あがり」と呼びます。

酸度(さんど)
日本酒に含まれる酸味の量の目安のことを指します。酸味が多いほど、数値が大きくなります。現在の平均値は1.2前後で、1.5を越すと酸っぱさを強く感じます。酸度が低いほど、さっぱりした味わいで、酸度が高いほど辛く、濃く感じる傾向があります。

日本酒度(にほんしゅど)
日本酒の甘口、辛口の目安のことを指します。日本酒度プラスが辛口で、マイナスが甘口です。日本酒の成分は主にアルコールと糖分なので、アルコールが多いと辛口、糖分が多いと甘口になります。ただし、アルコールと糖分の両方が多い甘辛口の酒や、アルコールと糖分共に少なく淡麗で薄口な日本酒は、日本酒度で表現しきれないため注意が必要です。

造り手に関する用語

酒蔵(さかぐら)
日本酒を作るメーカーです。日本酒をつくるために必要な酒造免許は、基本的に新規に取得できません。休造している酒蔵もあるので、日本国内の酒造数は減る一方です。
その中で、広島県内には42社の酒蔵があり、全国で7番目に多いです(2016年度現在)。

蔵人(くらびと)
酒蔵で酒うくりをする人のことを指します。いろいろな係があります。かつては女人禁制でした。

蔵元(くらもと)
酒蔵のオーナー社長を指します。酒造新規免許は新規におりないため、基本的に蔵元は世襲制です。代々、同じ名前を襲名する蔵元もあります。

杜氏(とうじ)
酒つくりの監督です。雪国の農家が冬場の出稼ぎで日本酒をつくるようになり、酒造りの技術集団が生まれました。その中で能力の高い者が杜氏と呼ばれ、集団を率いるようになりました。東広島市安芸津町三津は、軟水醸造法を生んだ三浦仙三郎の出身地で、仙三郎が育成したのが「三津杜氏」。三津杜氏の酒造技術が広島県の日本酒の発展の礎を築きました。

発酵に関する用語

協会酵母(きょうかいこうぼ)
日本醸造協会が有料で頒布する優良酵母です。明治44年から、全国の酒蔵のもろみから優秀な酵母を探し、良いものを「協会酵母」と認定しており、それを純粋培養して販売しています。広島県では賀茂鶴の酵母が5番目の「協会酵母」として、各地の蔵に配布された歴史があります。近年の酵母は、華やかな香りなどを目的として、人工交配などによって生み出されています。

酵素(こうそ)
日本酒造りで使われる酵素は、麹菌が作るたんぱく質の一種で、蒸米のデンプンを糖化します。酵素は、生き物ではなく無生物で、65℃以上の熱をかけると変成し、糖化力がなくなります。糖化酵素は人の唾液にも含まれており、ごはんを噛むと甘くなるのは、この酵素の力によります。

酵母(こうぼ)
微生物の一種で、単細胞生物です。糖分を食べてアルコールと炭酸ガスを作り出すなど、日本酒造りの主役です。パン作りのイーストと基本的には同じで、パン作りでは酵母の作る炭酸ガスを使って、パン種を膨らませるのに利用します。日本酒は、酵母の作るアルコールが主産物となります。

乳酸(にゅうさん)
ヨーグルトやチーズ、バターにも含まれる酸の一種です。殺菌力は強いが、酵母だけは殺菌されません。日本酒の醸造では雑菌の繁殖を防ぎつつ、酵母にアルコール発酵させるため、重要な役割を担います。

乳酸菌(にゅうさんきん)
乳酸をつくり出す微生物です。日本酒づくりには、麹菌と酵母と乳酸菌の3種類の微生物が関わっているといえます。
日本では江戸時代まで、乳酸菌の乳酸菌発酵による天然発酵を利用して日本酒造りが行われていました(生酛造り)。明治期に入り、乳酸菌発酵なしで化学合成した乳酸を使用した滅菌が発明されました。これが速醸造酛と呼ばれるのもので、現代でも酒造りの主流となっています。

米と酒造工程に関する用語

掛米(かけまい)
麹米とセットで使われる蒸米で、麹菌を生やさないものです。麹米に比べ、 安価な米を使うことが多いです。麹米と掛米はセットで、酒母の仕込みと三段仕込みの添え・中・留それぞれの場面で使います。

麹菌(こうじきん)
カビの仲間で、胞子をつくって増えます。日本酒をはじめ、焼酎、泡盛、醤油,味噌など、日本の醸造品づくりになくてはならないものです。胞子の色により黄麹(きこうじ)、白麹(しろこうじ)、黒麹(くろこうじ)があります。
日本や味噌、醤油づくりで使う麹菌が黄麹です。
焼酎づくりに多く使われるのが白麹で、泡盛に使われるのが黒麹です。最近、白麹を使った日本酒が作られるようになりました。白麹は今までの日本酒になかったクエン酸を作るため、新しい風味の日本酒がつくられ始めています。

生酛(きもと)
乳酸菌が乳酸発酵して生み出す乳酸を使った酒造りで、合成乳酸を添加しない自然な製法です。江戸時代に発明されました。複数の微生物の働きを複雑に組み合わせた、精緻で巧妙な酒造りの方法です。

山廃酛(やまはいもと)
合成乳酸を添加しない、自然な製法である点は生酛と一緒だが、手間のかかる「酛すり」を割愛した方法です。速醸酛お同様に明治時代末に発明されました。

速醸酛(そくじょうもと)
酒母の作り方の種類の一つで、化学的に合成された乳酸を添加する方法です。現在、流通しているほとんどの日本酒は速醸酛を指します。

吟醸造り(ぎんじょうづくり)
酒米を60%以下に削り、通常より低温で時間をかけてゆっくり発酵させる日本酒の造り方です。低温度にすることで、より雑菌の繁殖が抑えられ、きれいな酒質になります。また、寒すぎる環境に置かれた酵母は華やかな香りを出します。吟醸造りの日本酒は、すっきりしたきれいで上品な味わいと、華やかな香りになります。純米吟醸酒、純米大吟醸酒、吟醸酒、大吟醸酒が吟醸造りです。

麹米(こうじまい)
仕込みに使う米のうち、麹菌を生やしたものです。麹米が酒の味わいを左右します。日本酒をつくるときに使う米全体の2割が麹米となります。特定名称酒は麹米を15%以上使用しており、掛米より上質な米が使われることが多いです。

酒米(さかまい)
日本酒の原料です。食べておいしい米を飯米(めしまい)、酒造りに向いた米を酒米と呼びます。品種が異なり、コシヒカリは飯米、山田錦は酒米といいます。食べ比べると、酒米は淡い味がします。いっぽう、酒米は粒が大きく米の中心に白濁して見える「心白」という部分があるのが特徴です。酒米の稲は背が高く倒れやすいため、飯米の稲より育てにくく、収穫量も少なく高価です。

三段仕込み(さんだんじこみ)
もろみをつくる時、あらかじめつくっておいた酒母に対して、3回に分け、蒸米、米麹、水を加え、酒母を増やすことを指します。大まかに1回あたり2倍に量が増えるため、3回仕込むと酒母の量の10倍以上に増えるということです。
1回目を初添(はつぞえ)または添(そえ)、2回目を仲添(なかぞえ)または仲(なか)、3回目を留添(とめぞえ)または留(とめ)と呼び、初添と仲添の間で1回休むことを踊りと呼びます。また、三段仕込みにより、甘酸っぱくアルコール度数の低い酒母が度数の高い日本酒へと変化します。世界中の酒の中で、日本酒だけの醸造方法となります。

酒母(しゅぼ)・酛(もと)
麹米(蒸米に麹菌を生やしたもの)、蒸米、水、酵母を混ぜ合わせたものです。酒母または酛と呼びます。麹の酵素による糖化と酵母の発酵が進むと、アルコール分があり、甘酸っぱくて味が濃いドロドロした粥状の液体(どぶろくのようなとろみを持つ液体)のような感じになります。酒母をつくるのが実際的な酒造りの最初の工程になり、1週間から4週間ほどかかります。

浸漬(しんせき)
精米した米を水につけて、水分を吸収させることを指します。分単位が多いが、吟醸酒の造りでは、ストップウォッチを使って秒単位で時間を計ることもあります。米を水につける前と後の重量の比から、水分量をパーセント単位で管理しています。

製麹(せいぎく)
蒸米に麹菌を生やす麹づくりの工程です。麹づくりの作業は暑く、上半身裸で作業を行う蔵もあります。

麹室(こうじむろ)
製麹を行う密閉された部屋です。冬の酒蔵で唯一、室内が暑く、湿度が高い環境になります。低い天井や壁には、杉材が使われていることが多いです。麹室や入り口のドアには、室内の空気が逃げないようにパッキン付きで厚い断熱材で囲われ、冷凍室のようにかんぬきで開け閉めします。

精米(せいまい)
玄米の表面を削って白米にすることを指します。

精米歩合(せいまいぶあい)
米を削った残りの割合のことを指します。玄米の外側10%を削ると精米歩合は90%になります。
飯米は、玄米の外側を10%近く削っていますが、酒米は大胆に玄米の外側を30%から70%、時には80%以上も削ります。米の中心を使うほど、日本酒はきれいな味わいになります。

洗米(せんまい)
日本酒を造るにあたり、酒米を研いで米ぬかを落とすことです。きれいな水を大量に使用し、洗濯機のような機械を利用します。水流の渦の中で撹拌して洗うのが主流ですが、ざるに入れて冷水に浸け、素手で洗うところもあります。5から10キロ単位で洗う蔵もあれば、何百キロという単位で機械洗米する蔵もあります。

貯蔵(ちょぞう)
酒蔵の日本酒貯蔵の方法は、大きく分けて2つあります。それは瓶貯蔵とタンク貯蔵です。瓶貯蔵は、一升瓶や4合瓶に詰めた状態で保管します。瓶貯蔵はほとんど空気に触れないため、味の変化が少ないです。
タンク貯蔵は、一升瓶が1000本以上入る大きなタンクで保管します。日本酒が空気に触れやすいので熟成が進み、味わいが変化します。また、貯蔵温度も零下から室温まで様々で、酒質に合わせて貯蔵されています。

糠(ぬか)
精米した時に出る米の粉です。米の外層から出る糠ほど色が濃くなります。

並行複発酵(へいこうふくはっこう)
麹による米デンプンの糖化と、できた糖分の酵母によるアルコール発酵が同時に起こることを指します。糖化とアルコール発酵の掛け合いで、日本酒はつくられます。

蒸米(むしまい)
日本酒を造るとき、米を蒸すことです。ごはんのようには炊かず、蒸米は炊いた米より硬く、パラパラと捌けが良いです。水分も少なく、麹菌が異例に繁殖します。甑(こしき)という直径3メートルほどの巨大な蒸籠(せいろ)などで、1時間くらいかけて米を蒸します。米の外が硬く、芯がやわらかい蒸し加減を「外硬内軟(がいこうないなん)」と言い、理想とされます。

もろみ
酒母に蒸米、米麹、水を加えて薄めたものです。大きなタンクで混ぜ合わせると、溶けかけた米とアルコールと水が混ざった粥状になります。発酵が進むと3~4週間で日本酒として完成します。

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